算数の進度、爆速だと思いますが、なぜ、はやいのでしょうか。
端的にいえば、「上位互換で無駄を排除しているから」ですが、どういうことなのか、ていねいに解説しています。
算数での上位互換とは?
算数は積み木みたいなもので、積み上げていく学問です。
たとえば、以下です。
・1桁の足し引きを勉強する
・2桁の足し引きを勉強する。この際、1桁の足し引きができるようにならないと、2桁の足し引きができない
・3桁の足し引きを勉強する。この際、2桁の足し引きができないと、3桁の足し引きができない
・(省略)
・足し引きができないと、かけ算やわり算の筆算ができない
・(省略)
・四則演算ができないと、文章題や図形の問題などが解けない
というわけで、上位互換ですが、どういうことか、かんたんな例をあげると以下です。
(例)1桁の足し引きの上位互換は?
・2桁の足し引き、3桁の足し引き、4桁の足し引きなど
・かけ算やわり算(たとえば、筆算するときに、1桁の足し引きを繰り返します)
・文章題、図形の問題など(計算で1桁の足し引きをします)
「積み木の上の段 → 上位互換」なわけですね。
※ふつうの上位互換という言葉と、ちがう風に使っています。
上位互換で、算数の進度を爆速にする具体例
算数の進度が爆速な理由は、上位互換で無駄を排除しているためですが、どういうことなのか、詳しく説明します。
上位互換で、算数の進度を爆速にする具体例です。
・1桁の足し引きを、ある程度まで、おさえる
→従来の教育法は、百マス計算などで練度を高めます。つまり、ここで時間をかなり費やします
・2桁の足し引きも、ある程度まで、おさえる
→従来の教育法は、ここでも時間を費やします
・3桁の足し引きは、ほとんど演習しない
→従来の教育法は、ここでも時間を費やします
・2桁以上のかけ算の筆算の練習をしっかりする
→ここは通常のカリキュラムとさほど時間は変わらず、しっかりと練習します
2桁以上のかけ算の筆算の練度を高めることで、それよりも下位のものを習得させつつ、1桁の足し引きの練習をはじめとするさまざまな無駄を省くことができるわけですね!
ちなみに、「ある程度」がどの程度になるのかは、その子どもによります。
当時、小1の息子のときは、あっという間に終わりましたが、当時、年中だった娘の場合はゆっくりでした。
ただし、上位互換は、教えかたを改善しないといけない!
要は、「どんどん先に進めていく→要所でしっかり練習」ですが、従来の教えかただと、つまづいてしまいます。上位互換で、という戦略には「教えかたの改善」が欠かせません。
というわけで、先ほどの話は正確には以下になります。
・「数のイメージ」ができるような教えかたに改善する
→従来の教育法では、あまりイメージできるようにはなりません(それゆえに、たくさんの段階をふまないといけない…その分、演習もたくさん発生するわけですが)
・「1桁の足し引き」を、ある程度まで、おさえる
・「2桁の足し引き」も、ある程度まで、おさえる
・「3桁の足し引き」はほとんど演習しない
・2桁以上のかけ算の筆算の練習をしっかりする
上位互換で無駄を排除できるかどうかは、教えかたにかかっているといっても過言ではないということですね。
ちなみに、公文式は、ワケもわからず、とにかく作業させることで計算ができるようにします。だからこそ、段階を細かく分けて1つずつそれを踏ませていくのでしょうね。つまり、公文式の教えかただと、段階を飛ばすことはできません。
通常のカリキュラムは集団授業を前提にしているので無駄が多い!
「教えかたを改善して上位互換を意識すれば、効率や効果をかなり良くできるんじゃない? なぜ、上位互換が意識されていないカリュラムなの?」と思ったかもしれません。
理由は2つあると思います。
1つ目は、通常のカリキュラムは、集団授業を前提に組まれているためです。
落ちこぼれる子どもが極力でないように十分に練度を高めてから、つぎのステップに進むのが常なので、上位互換が意識されていないカリキュラムになっています。
(例)
・1桁の足し引きの練度を高める(しっかり練習する)
・2桁の足し引きに進む(つまづく子どもは少なくなる)
2つ目の理由です。
先ほどの話を角度を変えてみると、以下です。
・苦手な子どもに進度をあわせているので、遅い!
もっといえば、以下です。
・先生の教えかたが悪いから、苦手に感じる子どもが多い
・その苦手な子どもにあわせた遅い進度になっている!
つまり、つぎのようにすれば、無駄を排除できるわけですね。
・教えかたを改善して、苦手と感じる子どもを減らす
・すると、いちいち、練習しなくても先に進めるようになる
・これを突き詰めていくと、爆速になる!
要は、お偉い先生の教えかたが良くないので、上位互換を意識できていないカリュラムになっているのではないか、という面もあると思います。
「進度がはやい=基礎ができていない」と主張する腕が悪い先生
「進度がはやい」「飛ばす」といえば、「基礎ができていない!」と主張する先生がいます。本当にそうなのでしょうか。
たとえば、かけ算の筆算を一瞬で解く子どもがいたとします。その子ども、1桁の繰り上がりの足し引きも瞬殺できないと思います?
そんなことはあり得ないですよね。上位互換で、のやりかたでは、1桁の足し引きの練習はほどほとにしますが、かけ算の筆算は、通常のカリュラムと同レベル練習します。つまり、ふつうに進めている子どもたちと、かけ算の筆算は同レベルになります。もちろん、飛ばした1桁の足し引きも同レベルです。
よって、1桁の足し引きなどを飛ばすことで、基礎ができていないわけではありません。「進度が速い」と「基礎ができていない」は別次元の話です。
このように主張する先生は、それさえわからないのでしょうね。残念な先生です。
大手塾のテキストの基本を重視する理由も同じ!
四谷大塚の予習シリーズを使っていますが、小4と小5では応用問題は飛ばしました。
その理由の1つが、この上位互換です。
・大手塾のテキストはスパイラル学習。つまり、小5の基本は、小4の応用になっている(小5の基本が小4の上位互換)
・上位互換である小5の基本をしっかりできるようにすれば、小4の応用問題も解けるようになる。よって、小4の応用問題は飛ばした
何を飛ばせるのかは、腕次第!
何を飛ばして、どこで練習するのかの判断には腕が必要です。ここで失敗すると逆効果なので、自信がなければ、塾のカリキュラムに乗っかったほうがいいと思います。
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