つぎのように考えているのではないでしょうか。
1.本を出版するには「実績」が必要
2.その実績は出版社が確認していて、よほどの実績でないと出版できない。出版は狭き門
3.だから、本は信用できる
が、正しくは以下ですな。
1.商業出版できるかどうかは「売れるかどうか」。つまり、本の内容も「売れるかどうか」
2.出版社が実績を確認することはほとんどないと思う
3.実績がなくても出版できることもあるので、「本」だからといって信用できない
どういうことでしょうか。
出版社は「売れるかどうか」を重視している
出版企画(※)が通るかどうかは、「売れるかどうか」。
※出版企画には目次もあるので、出版企画が通った時点で本の内容もほぼ決まっています。
では、どのような本が売れるのか。
たとえば、以下です。
・「毎日、低カロリーな食事をとって適度な運動をしていれば健康的に痩せる」だと売れない。出版企画は通らない。
・「医学博士推奨! 寝ているだけで、みるみる痩せる魔法のダイエット」は内容は嘘、でもこういう本のほうが売れるので、出版されることもある(今ではこの程度ではひっかからないと思いますが)
こういう本、信用できますかね?
※もちろん、そういう本ばかりではありません。
で、「これはほぼ確実に信用できないよなー」という本もあります。どういうものか?
「本が必ず売れる」という保証があれば、出版社は企画会議を通します。必ず売れるという保証があれば、「ほぼ」どのような内容の本でも出すことができるわけですね。でも、必ず売れる保証はできないって?
「必ず売れる保証=本の買い取り」ですな。
具体的には「1000部を買い取れば本を出せる=150万円で誰でも、ほぼどのような内容の本も出せる」です。
こういう本、信用できますか?
出版社が実績を確認することはほとんどない
灘出身のかたの本をプロデュースしたとき、「灘出身」がウリの1つなのに編集者による確認はありませんでした(もちろん、わたしは証明書のコピーを送ってもらいました)。
ほかにも、わたし自身への雑誌取材のときも、確認されたのは1回だけでした。
わたし個人の体験だと実績を確認される機会は極めて少なかったです(出版社によると思います)。
実績がなくても出版できることもあるので、「本」だからといって信用できない
極論をいえば「売れれば勝ち! 内容の真偽は? そんなの、どうでもいいわ!」の世界なので、本だからといって信用できません。
※もちろん、すべての本がそういうわけではありません。
なぜお金をかけてまで出版するの?
さて、つぎのように考えたかたもいるかもしれません。
「なぜお金をかけてまで出版するの?」
印税ではありません。印税はスズメの涙ほどです。買い取りをしたら、結構、大きな赤字になります。
なぜ、そこまでして出版するのか?
・本の信用を利用
たとえば、とある有名な家庭教師。
本を読みましたが、公式の丸暗記で腕がないな、と思いました。
それでも出版などメディア展開しているので、高額料金でもお客がいるのでしょうね。
・ビジネスを大きくできる
(中学受験ではありませんが)とあるところで出会ったかたは実績はないに等しいのに、出版をキッカケに専門家としてテレビ出演していました。今でも活躍しているようです。ほかにも、最近、算数塾のカリスマ講師、塾のお偉いさんが本を出したようですが、ビジネスを大きくしたいのでしょうね。
※ただし、ここはノウハウがあるので、出版できれば誰でも、というわけではありません。
こういうことを目指せるからこそ、「そこまでして」出版するひとがいるわけですな。
まとめると、「出版は基本的には売れたもの勝ち。自社の宣伝など何か狙いがあって出版されていることもある。内容がいいから売れるわけではない。売れるような内容にしている。売れるように嘘が書かれていることもある。たとえば、『のびしろ』とか、ほかにも『のびしろ』とか 笑 もちろん、すべての本がそうではないけど、『本』『プロが書いている』だけで、内容を、うのみにしてはいけないんじゃないの?」。
ネットは信用するな!
書籍は信用するな!
一体、何を信じればいいのか?
それは自分自身です。自分で実際にやってみてみることが大切だと思います。
ちなみに、「出版社が悪」というわけでは決してありません。「何が正しいのかはひとによってちがう。いろいろな価値観がある」わけですしね!
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