中学受験と先取り学習(算数)。

先取り学習

先取り学習に効果はあるのか?

先取り学習に効果があるのかどうか、現代科学では立証不可能だと思っています。

というわけで事例で考えると、先取り学習は昔からあるようです。
そして、「うまくいけば有効」とも言われているようです。

・浜学園は低年齢から、ガンガンに鍛えている(先取りの内容も含んでいる)
・プロ家庭教師の著書に「先取りはうまく機能すれば有効」とある

ただ――。

「難関大に合格させるには難関の中高一貫校!だから中学受験!」と思っているのに、先取り学習の効果を否定するのはおかしな話だと思います。
難関の中高一貫校は、極端な先取り学習で難関大の合格を勝ち取っているためです、
先取りの効果を否定するのであれば、公立高校にいれて、子どもの才能が開花するのを待つといいのではないでしょうか。

先取り学習は、何歳で、どこまでできるのか?

平均1日1~2時間、受験算数を鍛えたところ、小2の息子の場合は「小1の12月開始。小2で、受験算数の基本はほぼ終わる」でした。
年長の娘はそれよりも高進度なので、もうすこしはやく受験算数の基本が終わるかもしれません。
これは極端な例としても、親に指導力があれば、「年長くらいから勉強をはじめて、小4で受験算数の基本は終わる」はできると思います。

中学受験において先取り学習で有利な点

中学受験において、もっとも負担が大きいのは高学年のようです。深夜までの勉強を強いられるようです。
もし、受験算数の基本を終わらせるくらい、先取り学習ができれば、この負担をかなり減らすことができます。睡眠たっぷりで受験を迎えることも可能かもしれません。
※余裕だからといって、授業中に寝るなどの子ども、そういう教育しかできない親などはそもそも対象外です。

あとは、中学校やや高校で学習することも先取りしておくと、子どもは青春を謳歌しつつ、さらに高度な勉強をする時間も確保できるのではないか、とも考えています。

効果がない先取り学習

先取り学習の効果はわかりませんが、明らかに効果がない先取り学習もあります。
それは、中途半端な先取り学習です。
たとえば、公文の算数・数学があります。
公文で学習する内容は、算数や数学のごくごく一部です。公文の先取りによるメリットなんて、一瞬でなくなります。
このような、明らかに効果がないであろう先取り学習をもってして、先取り学習は非難するのは筋違いですね!

先取りが害となるケース

先取り学習に向かない親もいると思います。
具体的には、つぎのようなかたたちです。

1.特殊算のごく一部の問題を見て「中学数学が必要!」となって、別方向に走ってしまう親
2.低年齢のうちから、あれもこれもとなって、猛勉強させる親
3.見栄で、先取りさせる親

上記1。
受験算数には中学数学は必須ではありません。
連立方程式もどき、グラフもどきは必要ですが、あくまで「もどき」。
中学数学を勉強しなくても、かんたんに身につきます。

上記2。
うちはほぼ算数だけなので、1日1~2時間、ほかの子どもがゲームをしている時間を勉強にあてることができています。
が、ここに国語、英語が加わると、1日3~4時間は勉強に費やすことになるのではないでしょうか。
トップ層を目指しているのならば、それはそれでありなのかもしれないなーと思いますが(リアルの天才にはそのくらいしないと追いつけない)、漫然に猛勉強させるのは良くないよな、と思います。

たとえば、何の価値もない低学年の模試で高偏差値をとらせるのに、躍起になる、ですかね。「まだ受験の準備でさえはじまっていない、低学年で、立ち位置って何?」と、心底、思います。

上記3。
「見栄? そんなやつ、いないだろ?」と思ってましたが、いるのですね。

先取り学習がすべてなのか?

わたしが、まるで先取りの素晴らしさを広めているように感じるかもしれません。
先取りしないと、中学受験で不利になると感じるかもしれません。
が、それは誤解です。
昔から浜学園が圧倒的な先取りをしていて中学受験で成果を出していますが、浜学園に入れれば灘中に入れるわけではありません。それと同じで、圧倒的な先取りが合わない子どももいると思います。で、圧倒的な先取りをせずに合格した子どももたくさんいると思います。
結局、先取りは、中学受験の戦略の1つにすぎないわけですね!

先取りするかどうか、先取りするとすればどの程度まで先取りするのか、何が正解なのかは誰にもわからないので、家庭で決めればいいと思いますし、そもそもこういうものはトップ層の話なので、うちみたいにトップ層を目指さないのであれば「へぇー、低年齢の子どもでもそこまで勉強できるようになるんだ」程度で流せばいいと思いますけどね!
トップ層を目指さないのであれば、中学受験でさえも懐疑的になりますが。

中学受験では、先取りしている家庭が多いとわかる理由

中学受験では、「まわりは先取りしていない」「みんな先取りしている」という議論を見かけます。
めちゃくちゃ勉強しているのに「オレ、勉強していないわー」の世界。
本当のところはわかりませんが、わたしは「先取り学習している家庭が多いのだろうなー」と思っています。
なぜか?

現場にいる塾講師が「先取りしてる子どもが多いわー」と思っているのだろうなーと感じるためです。

・大手塾、先取りがウリの算数塾でさえ、説明会にて「先取り学習するな」と釘をさすらしい
※ネットの記事で複数見かけました。

クラスに1名くらい先取り学習している子どもがいるくらいだと、わざわざ説明会で、こんなことは言わないと思います。先取りしている子どもが多いから、こういう風に言うのではないですかね。
ただ、これだけだと「単に保護者からの質問が多いだけなのでは?」とも解釈できます。

・とある本に「親による先取りの失敗例。家庭で中学数学を教えている」とあるらしい
※この本を読んだわけではありません。レビューなどにあっただけなので正確なところはわかりません。

公文式か数学検定なのかはわかりませんが、先取りしている家庭が少なければこういうことは書かないですよね。
で、ネットで検索していると、元日能研の塾講師のページに、以下とありました。

・ノートを見ると、基本問題は家庭で解いている。授業では応用問題を教える

指示したわけではないのに、勝手に解いていると解釈できます。
そういう家庭が予習レベルで終わっているとは、とても思えません。

そもそも、人口が激減、大学受験が年々かんたんになっているのに中学受験させようと考える保守的な親が、「先取りなんてしなくても」と考えるとは思えません(もちろん教育熱心でかつ主流派の話)。中学受験そのものが過激な先取り学習なので自己矛盾していますし、もしそう考える親が多いのなら、中学受験は加熱、低年齢化することもないと思いますから。

いずれにしても、先取りしている家庭がどのくらいあるのかを正確に知るのはかなり難しいので、この記事はもちろん、「まわりは先取りしていないから、みんな先取りしていない!」「まわりは先取りしているから、みんな先取りしている!」などの安易な意見に流されてはいけない、先取りするかどうかはご自身の判断で、と、わたしは思っています。
先取りして成功するか失敗するかどうかなんて、世界の誰にもわかりませんしね!

先取り学習をすると勉強嫌いになる?

「先取り学習すると勉強嫌いになる」という話を見かけます。
しかし、以下を経験したこと、ありますよね?

・面白い先生に教わる → 勉強が好きになる
・クソつまらない先生に教わる → 勉強が嫌いになる

そもそも世の中には「先取り学習をしていないのに勉強嫌い」がたくさんいるので、先取り学習をすると勉強嫌いになるというのはおかしな話だと思います。
※そのうちの1人がわたし 笑

子どもが勉強が嫌いになるのを恐れるなら、一生、勉強をさせてはいけないですね!
中高生でも、大人でも勉強嫌いになることがあるわけですから。

先取りすると小学校の授業がつまらなくなる?

「先取りすると小学校の授業がつまらなくなる」と。よく言われています。
中学受験を非難している立場だと、言いたいことはわかります。
ただ、先取りしていなくても、授業がつまらないと感じている子どもは多々います。
というより、先取りさえしなければ、みんな、目を輝かせて授業を受けるとか本気で思っているのですかね?
それに、高校受験のときに塾に通うと「中学校の授業がつまらなくなる」になりますし、かといって塾に通わせないと、たいていの子どもは偏差値が低くなります。この辺はどのように考えているのか、謎です。

で、中学受験を考えているひとだと、「チラッとでもいいので、小学校の教科書と塾のテキストを見比べてみてよー」と言いたくなります。
たとえば、算数。

・小学校の小5 → 分数の通分など
・中学受験の小5 → 売買損益、食塩水、比を使う図形、旅人算など。基本レベルでも中学数学と同じ難易度の問題もある

スキーでたとえるなら、小学校は「スキーのブーツをはいて雪の上で立てるかな? ワクワクどきどきのチャレンジ!」。
一方、中学受験は、偏差値50あたりの子どもも「パラレルを徹底的に練習!」。
中学受験をする子どものたいはんは「うわー 雪だ!」で感動できるはずはありません。
というわけで、中学受験を考えているのに「先取りすると小学校の授業はつまらなくなる」は、おかしいです。
中学受験そのものが、数年の飛び級・先取り学習みたいなものですから。
で、わたしは「どうせ授業はつまらなくなるから、ガンガンに先取り派」です。
とはいえ、子どもたち2人とも、授業も楽しいそうですが。
ちなみに、小学校の授業を若干ディスっていますが、医歯薬でなければ「中学生から勝負」でも十分に間に合うと思います。ただ、小学生で学習する内容に穴があるとかなり苦労するので、基本はしっかりおさえておくべきだと思います。

先取り学習か? 現学年の応用問題か?

これを書くと長くなるので、かんたんに書きます。
「小3までの話。受験算数の先取りを否定するのに、現学年の応用問題を解かせているかたは、ご自身の目で、最レベ、トップクラス問題集(小2、小3)の応用問題と、予習シリーズ4年の難易度を比較すればいいのに」と思います。
今の時期の小4の偏差値50くらいの子ども、すなわち、小4の内容を人並みに習得している子どもでも、トップクラス問題集小3の応用問題は解けない、もしくは苦戦すると思いますけどね。
「最レベなどの小2、小3の応用問題を解ける子どもって、親が繰り返し解かせることで、解法を丸暗記しているだけじゃないの? 丸暗記じゃなく、考える力をつけるほうが大切だと思うけどなー」なので、先取りさせています。
で、先取りといえば、「現学年の応用問題は考えれば解ける。でも、低年齢の子どもには、比の概念が理解できない」とかいう腕の悪い塾講師がいます。
「比べるもの」「比べられるもの」でしたっけ?
そりゃ、そんな教えかたをしたら理解できないわ!
…と、結局、長くなってしまいました 笑

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